君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
超美少女で、嫌でも目立つ人生を送ってきた彼女は、他人の目なんかへのカッパ。なところがある。
「凱斗! 待てって言ってるんだから待ちなさいよ!」
自分の名前を呼ぶ声にようやく気付いた凱斗が、ヒョイッと顔をこっちに向けた。
そしてバタバタ突進してくるあたしたちの姿と、なぜか浴びてる周囲の注目に驚いている。
「な、なんだ?」
「なんだ? じゃない! これ、どういうこと!?」
軽く息を切らした亜里沙が凱斗の真ん前で立ち止まり、メモ用紙を持った手をぶっきらぼうに突き出した。
あたしは慌ててその腕をつかむ。
「亜里沙、これを凱斗に見せてどうするつもり?」
「どうもこうも、事情を説明してもらうつもり」
「説明って、だって凱斗には関係ないよ」
「あるに決まってるじゃない。これには凱斗の名前も書かれてあるんだから」