君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
「だからって、凱斗がこれの事情を知ってるとは……」
「おい、さっきからなんの話だ? 事情ってなんだよ?」
「いいから、これ読んでみなよ。一発でわかるから」
凱斗は怪訝な顔をしてメモ用紙を受け取った。
そしてカサカサと開いて中身を読んだ瞬間、その顔色がサッと変わる。
勢いよく顔をあげたかと思うと、身を乗り出すようにあたしに詰め寄ってきた。
「これ、向坂が受け取ったのか!?」
「う、うん」
「誰だ!? 誰から!?」
「わ、わかん、ない。靴の中に入れられてたから。名前も書いてないし」
あたしは小さな声で答えながら、凱斗の真剣な表情を見た。
凱斗、どうしたんだろう? そりゃこんな内容の文章に、自分の名前が書かれているんだから驚くのは当然だろうけど。
でもこの動揺ぶりは、それだけが理由じゃないように見える。