君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨

 凱斗は思い詰めた顔つきで、もう一度メモ用紙を見つめながらつぶやいた。

「いったい、誰がこんなこと……」

「たしかに誰がこんな真似をしたのか気になるけど、とりあえず……」

 凱斗の手からメモ用紙をサッと奪い返した亜里沙が、ジロッと冷たい目で凱斗を睨んだ。

「手っ取り早くあんたの口から、事情を説明してもらいたいんだけど」

「……事情って、なんのだよ?」

「しらばっくれないでよ。わかってるんでしょ?」

 まるでケンカでも売っているような、キツイ口調の亜里沙をあたしは慌ててなだめた。

「だから、凱斗には関係ないってば」

「だって今朝からずっと奏の様子は変だし、あんたたち、美術準備室で一緒だったんでしょ? しかもこの、凱斗の名前入りメモ」

 メモ用紙を凱斗の鼻先でヒラヒラさせ、亜里沙は座った目つきで問い詰める。

「この状況でまさか、『僕はなんにもカンケーありません』なんてフザけた言い訳するつもりじゃないでしょうね?』

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