君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
凱斗はグッと唇を噛みしめて、まるで悪いことをした子どもが、大人に見咎められたような表情になった。
彼のこんな心細そうな顔なんて、初めて見る。やっぱりなにか事情を知っているの?
昨日からの凱斗の不可解な言動が、次々とあたしの頭に浮かんだ。
ひょっとしたらこのメモと関係があるんだろうか? だとしたら……あたしも知りたい。
そう思ったせいで、ついあたしも問い詰めるような目で彼を見てしまったんだろう。
凱斗はますます気まずそうな顔になって、ふいっと背を向けて何も言わずに歩き出してしまった。
質問を無視された亜里沙が、軽くキレたような声を出す。
「ちょっと! 逃げる気!?」
すぐさま後を追いかけ、凱斗の腕を強く掴んで引っ張った。
「逃がさないからね! 卑怯者!」