君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨

 亜里沙の態度も言葉も、完全に凱斗を悪者扱いしている。

 それに対して凱斗はイラついた様子で、腕を振り払って立ち去ろうとした。

 それにますます亜里沙がキレて、また凱斗の腕を掴んで怒鳴る。

「逃げるな!」

「……うるせえよ」

「うるさい!? なら、ちゃんと説明しなさいよ! そしたら黙って話を聞いてやるから!」

「うるせえっつってんだろ!」

 大声で怒鳴った凱斗は、突き飛ばすような乱暴な仕草で亜里沙の腕を振り払った。

 その勢いでヨロけた亜里沙は転びそうになってしまう。

「お前には関係ねえんだよ! でしゃばんな!」

 とっさに亜里沙を支えようと手を伸ばしたあたしの目の前で、凱斗は吐き捨てるように叫んだ。

 そのまま足早に立ち去ろうとする彼の後ろ姿を、あたしは唖然として見つめる。

 こんな乱暴な凱斗、見たことない。いつもと全然違うよ。怖いくらいだ……。

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