君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
「たしかにこのメモの事情とあたしは、関係ないかもしれないよ! だけどね、そんなのあたしには関係ない!」
亜里沙はメモ用紙をもう一度、凱斗の鼻先に突き付けた。
「あんたは、泣いてる奏をひとりぼっちで置き去りにした! どんな理由だろうがあたしはそれが許せない! それだけよ!」
その言葉を聞いた凱斗は黙って俯いてしまった。
あたしは亜里沙の傘を拾って駆け寄り、濡れっぱなしの彼女の頭上に慌ててかざす。
そして息を切らしている親友の顔をじっと見つめた。
亜里沙。いまにも牙を剥き出しそうな、鬼みたいな怖い表情をしている亜里沙。
真剣に、あたしのために心の底から怒って凱斗を睨んでる亜里沙の横顔を見たら、胸がジンジン痺れて熱くなって、泣きそうになった。
……嬉しかったから。