君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
見知らぬ世界
それからあたしたちは、学校から一番近いファーストフードの店に入った。
他の生徒たちもいっぱい雨宿りに来ていてちょっと落ち着かないけど、これ以上雨の中を遠出するのも大変だし。
すでにスカートの下半分の生地はしっとり濡れて、プリーツがピラッと広がりかけている。
これじゃ家に帰ったらまたアイロンがけだな。またまたお母さんの機嫌が悪くなる。
窓際の一番奥のテーブルが空いていたから、あたしたちはそこに座ることにした。
亜里沙と隣同士のイスの背もたれにリュックを掛けていたら、凱斗が話しかけてくる。
「俺、飲み物注文してくる。お前らもなんか飲むか?」
「あ、じゃあ……あたし、カフェラテ」
「あたしコーラ。それとポテトと、パイと、ナゲットもね。当然、男のあんたのおごりでしょ?」
「藤森、お前なあ……」
「冗談よ。コーラね」
軽く溜め息をついて、凱斗が注文しに行く。
すぐに飲み物の乗ったトレイを持って来てテーブルに乗せ、あたしの向かいのイスをガタッと引いて座った。