君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨

 ……え? え? え?
 入れって…… えぇ?
 それって、つまり、相合傘……

 ええぇーーーーー!?

 直立不動で目を丸くしているあたしの顔にカーッと血が集まって、緊張の汗がドワッと噴き出してくる。

 我ながら、みっともないほどの動揺っぷり。

 でも、あたしが相合傘にこれほどオロオロしちゃうのには、正当なワケがある。

 ……うちの高校には、伝説があるんだ。

 うちの校舎は、全学年の全クラスの教室が、正門と向かい合うように建てられている。

 だからどの教室からも、校門前を通る生徒の姿がモロ見えだった。

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