君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨

 凱斗は、あれからずっとずっと罪悪感に苦しんでいたんだ。

 自分が入江さんを傘に入れることを拒んだせいで、彼女は死んだ。

 自分が追い詰めた。自分が殺した。そう思って。

 だからもう二度と、あたしを傘に入れないと言ったんだ。

 あたしを好きだと言ってしまった言葉も、忘れてくれって言ったんだ。

 のんきにあたしと相合傘なんて、できるわけがない。

 あたしに好きだなんて言えるはずもない。

 それが原因で、人がひとり死んでしまったというのに。

 凱斗があたしに、『ごめん』としか言えなかった意味も、ようやくわかった。

 それ以外の、それ以上の言葉を求められても、なにも言えなかったんだね。
 
「ごめん……凱斗……」
「向坂……」
「ごめん。ごめんね……」

 あたしはあの時の凱斗みたいに、『ごめん』を繰り返した。

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