君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
眉をひそめてチロッと凱斗を睨みながら、亜里沙は続けた。
「辛さを受けいれられる容量も、耐性も、人それぞれなんだもん。でも失恋でポンポン人が死んでたら、今頃人類は滅亡してるってば」
「それは……」
「だからさ、根本的な原因は他にあったんだよきっと」
凱斗の言葉を遮り、また無意味にストローをクルクル回しながら、亜里沙は小首を傾げて言った。
「だからさ、あんたがそんな責任感じて深刻になることはないんじゃないかなーって、あたしは思うんだけど」
亜里沙の何気ない口調から、精いっぱい慰めようとしてくれている気配が伝わってくる。
それを理解したのか、凱斗は口を噤んだ。
あたしも亜里沙の言葉に慰められた気がした。
そしてまた三人、うつむいて、シーンと黙り込んでしまった……。
慰めてもらったことはもちろん嬉しいけれど、だからといって、それで済ませてしまえる話じゃないから。