君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
飲み込まれる自分
翌朝、寝不足で力の入らない体を引きずるようにして、あたしは登校した。
体中が薄い鉛の板で覆われているみたいに重くて、歩くだけでしんどい。
ほとんど徹夜したから無理もない。一晩中、寝ないで悩み続けていたから。
悩むっていうよりも、事実の大きさと重さに翻弄されて、押し潰されそうになっていただけだ。
『どうしよう、どうしよう』って壊れた機械みたいに繰り返し思うだけ。
どうしよう、といっても、『なに』を『どう』したいのかも考えが及ばないし、まともに思考が働かない。
夜遅くにベッドに入って電気を消したけど、頭が興奮しているせいか目が冴えてしまって、閉じる気にもなれない。
暗がりに目が慣れてしまうと、深夜の部屋は意外なほど明るくて、ますます眠れないし。
ひたすら頭の中では、凱斗の姿と入江小花さんの後ろ姿が、影絵みたいにグルグルしていた。
そのうちに夜が明け始めて、部屋の中の明るさが増してきたと思ったら、あっという間に朝。
目覚ましのアラームが鳴ってノロノロ起き上がったら、全身の筋肉と神経がどっぷり疲れていた。