君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
無理に笑おうとしたせいでバランスが崩れて、ヘンテコな笑顔になってしまう。
そしたら、そんなあたしを見た凱斗は逆に悲しそうな顔になってしまった。
「ごめんな、向坂」
凱斗は悲しそうな顔のまま、これが何度目かわからない『ごめん』を言った。
「お前には、なにも言わないつもりだったんだ。お前も苦しむってわかってたから」
「凱斗……」
「お前には、絶対にそんな顔させたくなかったのに」
凱斗の目の下、隈ができてる。きっと寝てないんだ。
いま気がついたけど、前より少し痩せた気がする。
この一ヵ月、ずっと悩んで悩んで、やつれてしまったんだろう。どれほど辛かったろう。
そのうえ、あたしを守ろうとして、全部ひとりで抱え込んで耐えていたんだ。
なのにあたし、なんにも言ってくれないって凱斗のこと責めた。
こんなに苦しんでる人を、こんなに好きな人を、責めてしまった。
自分を許せない気持ち。凱斗にすまないと思う気持ち。
ふたつの気持ちが熱い塊りみたいに混じり合ってグッと込み上げて、目の前の凱斗の姿が涙で潤んでしまう。
「ごめん、凱斗……」
「泣かないでくれ向坂。俺は……」
「おっはよー! おっふたーりさあーーん!」