星の砂 **海と空の秘密**


「違う!空は、ここみを好きなんじゃない!アユミさんのことを忘れられないで、アユミさんに似たここみを追っているだけだよ!」


雫は、泣きじゃくりながら叫んだ。

そして、空にすがった。


「お願い、目を覚まして!アユミさんは死んだの!ここみは、アユミさんじゃないの!」


雫は今、どんな気持ちでいるのだろう。

まだ過去の人を追い続ける好きな人に、どんな気持ちで『目を覚まして』と言っているのだろう。


もう雫の心はボロボロだ。

それに気付かないフリをして、雫は続ける。


空が好きだから。



でも、空はその手を振り払う。



「もう、やめてくれ!!」



神様、どうして…?

どうして、2人と私を出会わせてしまったの?

よりによって、アユミさんに似た私を…。


あなたは、ひどすぎるよ…。



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