星の砂 **海と空の秘密**
延々と続く砂浜。
延々と続く海。
暗くてよく見えなかったけれど、私はひたすら雫を追いかけて走った。
そして、雫が急に立ち止まった。
荷物もなにもかも放り出して、砂浜を波打ち際めがけて歩き出した。
「待って!お願い、雫!!」
雫は、後ろにいる私に気付き、泣き顔で笑った。
雫の後ろには、月の光に照らされて、海がキラキラと輝いていた。
「あはは、大丈夫だよ。死んだりしないから! 空と離れた場所で、海を見たかったんだ。1人になりたかったんだけど、ここみも付いてきちゃったね。」
「ごめん…。」
私は、砂浜に視線を落とし、身を引いた。
「ううん!そういう意味じゃないの。追いかけてきてくれて、嬉しかったの。ちょっと話そ!」
雫はそう言って、私の手を取った。
雫は強い。
私が雫の立場だったら、こんな風に笑うことはできないだろう。
また人を信じられなくなるだけだ。
その時見た雫の横顔を、私はきっと忘れない。