星の砂 **海と空の秘密**
★空side
~空side~
砂浜の上で抱き合い、仲直りするここみと海斗を切なく見つめていた。
さっきまで俺の腕の中にいたここみは、今は海斗の腕の中にいる。
ここみの言った言葉が、こだまする。
―――『私がアユミさんに似てるから、好きになったんでしょ!? 』
泣き崩れたここみを抱き寄せ、俺は言う。
―――『違う。そんな理由で、俺はここみのこと好きになったりしない。アユミなんか、関係ねーよ。』
俺は、自分に言い聞かせていたんだ。
そして、雫から言われた言葉。
―――『違う!空は、ここみを好きなんじゃない!アユミさんのことを忘れられないで、アユミさんに似たここみを追っているだけだよ!』
それまで積み上げてきたものが、一瞬にして音を立てて崩れていくのが分かった。
―――『お願い、目を覚まして!アユミさんは死んだの!ここみは、アユミさんじゃないの!』
やめてくれ。
もう、やめてくれ…!!
俺は、すがってくる雫の手を思い切り振り払った。
そして、俺は気付いた。
未だに死んだアユミを追っているのだと。