星の砂 **海と空の秘密**
海から道路に出て、2人で歩いた。
ここみを追いかけたときよりも、車の数がめっきり減っていた。
足元が暗く、たまにぽつぽつとある外灯が、俺たちを静かに照らした。
2人の間に沈黙が降りる。
雫に声をかけようとも、言葉が出てこない。
雫の顔を見ることすら出来なかった。
そして、沈黙を破ったのは、やっぱり雫だった。
「雫は、空が好き。空がアユミさんのことを好きでもいい。全部受け止める。好きになってくれなくてもいいから、好きではいさせてね…。」
俺は驚いて、雫を見た。
雫は、強い眼差しで俺を真っ直ぐと見つめる。
後ろから来た、車の眩しいライトのせいか、俺は雫を直視できなかった。
なぁ、どうしてだよ?
見損なったとか、もう嫌いとか、どうして言わないんだよ。
どうして、こんな俺を好きだと言えるんだよ。
雫を見ていると、切なくなる。
胸が締め付けられる。
未だにアユミを忘れることができない自分が情けない。