星の砂 **海と空の秘密**
中は、親子連れや、カップルでごった返していて、周りに靴が散乱していた。
畳の上に長テーブルが置かれ、壁にはメニューが張られていた。
その奥には、どうやらシャワー室があるらしい。
どこにでもあるような、普通の海の家。
「あのう、すいません。早瀬ここみと申しますが、祖父に言われてやって参りました。勝連さんは…」
込み合う人だかりをよけながら、何とか店の人に話しかけた。
私が話しかけた人は、長身で、これまた大きな体をしたお兄さんだった。
「ああ!ここみちゃん!?仁三さんの友達の、勝連です。よろしく!」
おじいちゃんの友達だって言うから、もっと年をとった人だと思っていた。
首からタオルをかけ、汗まみれで海の男って感じ。
でも、すっごくかっこいい。
まるで、体操のお兄さんみたい。
おじいちゃんは私が思っているよりずっと、顔が広いのかもしれない。