星の砂 **海と空の秘密**


2人は部屋へ入っていった。

ベッドが軋む音が聞こえた。


俺は耳を塞ぎ、その場にうずくまった。


そして、何故だか突然雫が愛しくなった。


決意だけで、変えられるような気持ちではない。


でも、俺は雫を見ようと思った。

好きになろうと思った。


少しずつでもいい。

現実を受け入れ、前に進みたい。

そしていつか、完全に雫を好きになれるように…。


その時は、何よりも大事にしよう。

傷つけ、たくさん辛い思いをさせてしまった分、何よりも愛そう。

お前が俺を嫌いになったとしても、もう俺は離さない。

だから、愚かな俺をもう少し待っていて…。




夏は、もう終わりに差し掛かっていた。



~空side・END~



< 120 / 143 >

この作品をシェア

pagetop