星の砂 **海と空の秘密**
「もう、やめてくれ!!」
空に思い切り手を振り払われた。
これでいい。
嫌われて、憎まれてもいい。
空が、前に進んでくれるなら…。
そう思っていたのに、もう空を見ることが出来なかった。
ひとりになりたくて、砂浜を駆け出した。
足に、貝の欠片が突き刺さり、痛みが走る。
でも、心の方がもっと痛くて、苦しかった。
今日は、まだちゃんと泣いていない。
泣かないと、明日笑顔でいられない。
後ろから、ここみが追いかけてくる。
それでも、走った。
私の横では、海が延々と広がる。
穏やかで、広大な海。
いっそのこと、私をどこか遠くへ連れ去って、泡にして…。
私は、海へと足を向けた。