星の砂 **海と空の秘密**
「俊兄!音楽、これかけてよ!」
私は、俊兄に1枚のCDを渡した。
随分と聞き込んだ、お気に入りの1枚だった。
「おう、いいよ!」
海パンに裸足で、足元に水を垂らしながら、海斗がその様子を見て笑った。
「お前、ほんっとそれ好きだな。聞き飽きねーの?」
「飽きるわけないじゃん!何万回聞いても飽きないし!」
「はいはい。」
「海斗のばかぁー!」
私がぷーっとふくれていると、海斗は私の頭をくしゃくしゃっと撫でた。
そして、私の耳元に口を寄せ、囁く。
「かわいすぎだっつの。」
きっと、今の私の顔は赤く火照っているだろう。
海斗がどこかへ行ってしまった後も、私は熱くなった頬に手を当てていた。
「なぁに赤くなってんの?」
振り返ると、雫と空が立っていた。
最近、やけに仲がいい2人。
とても苦しんでいた雫だけれど、最近は幸せそうで何より。
空も、雫の気持ちを受け止めてくれたようで、嬉しい。
みんなが幸せになれますように…。