星の砂 **海と空の秘密**


「こんなとこでイチャイチャしてんなよ!」

「ここは雫と空に任せて、見に行ってきな!」


雫と空だった。

私は胸が熱くなった。


「お前ら最高!!行くぞ、ここみ!」

「うん!雫、空、ありがと!」


私と海斗は、我が子に夢中な俊兄の目を盗み、しおかぜを抜け出した。


太陽のない夜の海は、暑さが和らぎ、心地よい。

海斗と手を繋ぎ、裸足のまま夜の砂浜を駆け抜ける。


潮風を感じながら、海を見た。

私たちの目の前には、降りかかってきそうなくらい大きなしだれ花火が上がっていた。

空と海一面を埋めつくすほどの大迫力で、まるで金色の光のシャワーのようだった。


海斗が、私の手を更に強く握る。

今、2人の気持ちはきっと1つ。



離れたくない。




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