星の砂 **海と空の秘密**
★一時の別れ
最後の夜は、海斗に抱かれた。
何度も名前を呼ばれ、何度も『愛してる』と言ってくれた。
「しばらく寂しいけど、頑張ろうな。」
海斗のその言葉に、私はゆっくりと頷いた。
「海斗、大好きだよ。」
「俺も、大好き……」
その日の夜は、海斗と何度もひとつになった。
そして、別れの日はやって来た。
雫も、駅まで見送りに来てくれた。
駅に来るまでは、真帆ちゃん、千帆ちゃん、美帆ちゃんに泣きつかれて大変だった。
でも、かわいくて仕方がなかった。
私は涼子さんにお礼を言い、かわいい3姉妹に『また来るからね』と言って、家を出た。
「ここみはもう家族だからなぁ、またいつでも遊びに来いよぉ…!」
電車を待っている間、俊兄が泣きそうな顔で言った。
私は、笑いながら頷いた。
「また空と二段ベッドで寝んのかよ。」
海斗が嫌そうな顔をしながら言った。
でも、何だか嬉しそうだ。
「いいじゃん。お前はここみが寝てたところで寝れば!」
空がそう言うと、海斗はニヤけた。
もう、海斗ってば。