星の砂 **海と空の秘密**
★いいヤツ
海のすぐ近くに、勝連家はあった。
レンガ造りの、意外にもかわいらしい家だった。
「おーい、涼子!」
家に入るなり、俊兄が大きな声で誰かを呼んだ。
すると、中から女性が出てきた。
奥さんかな。
その涼子さんの後ろには、小さな女の子が3人くっついていた。
「すいません。お世話になります。」
私は、家に上がりながら、ペコリと頭を下げた。
「まあ、いらっしゃい!疲れたでしょう。ご飯できてますよ。」
涼子さんは、愛想のよい優しい笑顔を向けてくれた。
その笑顔に何だかすごく安心した。
「ほら、お姉さんに挨拶しなさい。」
涼子さんは、後ろでもじもじしている3人の女の子を、私の前に引き寄せた。
顔がそっくり。
3つ子…だよね?
「こんばんは!!」
「こんばんは。よろしくね。」
私があいさつをすると、3人はぴったりと私にくっついた。
「あたし、真帆!」
「あたし、千帆!」
「あたし、美帆!」
可愛らしい3姉妹は、私に元気よくあいさつを返した。
「真帆ちゃん、千帆ちゃん、美帆ちゃんね!覚えた!」
私は、ニッコリ微笑んだ。
小さい子は、嫌いではない。