星の砂 **海と空の秘密**
「泣くなよ。」
海斗は私の頭に軽く触れ、隣に座った。
素直になれない私。
「海斗ってさぁ。」
「うん。」
「年下の癖に生意気だよね。」
完全な八つ当たり。
でも、自分を止められない。
「すいません。」
海斗は何故か、小声で謝る。
「敬語やだ。」
「そうなんですか。」
「人の話聞け。」
可愛くないことばかり言う私を、海斗は怒らなかった。
優しくしてくれた。
他愛のない会話ばかりだったけれど、海斗と話しているときは、なぜだか悲しみが安らいだ。
その後、海斗は私が泣き止むまで待ってくれて、一緒に帰った。
気が付けば、空は明るかった。
俊兄が言っていた、『生意気だけどいいヤツ』の意味が、ちょっとだけ分かったような気がした。