星の砂 **海と空の秘密**
第2章 ~ふたりの王子~
★恋愛対象外…のはず。
今日も、気温は30度を超える暑さ。
次から次へと、客はとどまることを知らない。
やっぱり、夜の海と昼の海は、まったく顔が違う。
そして今日も、海斗と一緒に外で飲み物販売。
雫と空くんは、中でウエイトレス。
ビーチパラソルの下で冷たい飲み物を売るとはいえ、頭がジリジリしてくる。
「目、腫れてる。ほら。」
そう言って、お客さんが来ないときは、海斗がよく私の目に冷たい氷を当ててくれた。
海斗なりに私のことを心配してくれているのが、素直に嬉しかった。
でも、今日はそれ以外、お互い何も話せなかった。
それは、多分私のせい。
急にあんな優しい一面を見せられ、完全に戸惑っていた。
顔をろくに見ることができなかった。
私は、海斗にお礼も言えずにいた。