星の砂 **海と空の秘密**
「あっれ~?海斗のヤツ、そんないいヤツだったっけ?」
空くんが、眉間にシワを寄せて言った。
「愛されてんねぇ~!雫だったら惚れちゃうかも!ここみさ、海斗好きになっちゃえばぁ!?」
「ええ!?ないない!絶対ありえない!あんな年下!」
雫がとんでもないことを言い出しもんだから、私はそれを身振り手振りで全否定した。
空くんはどこかに視線をそらし、何も言わなかった。
海斗のことをガキだとか言いながら、正直そんな風には思わなくなっていた。
でも、愛だの恋だの、もう疲れた。
だから、もういいんだ。
今頃、健一は美由とデートでもしてんのかな…。
私は大きくため息をつきながら、空を見上げた。
私が悲しいときも、嬉しいときも、決まって顔を上げるときは、空はいつも青い。
そして、短い昼休憩が終わり、また私は飲み物を売りに戻った。
もう既に、海斗はそこにいた。