星の砂 **海と空の秘密**
「あ、ついでにメアド教えて。」
海斗はズボンのポケットから、黒い携帯電話を取り出した。
ぽかーんと見ている私に、焦りだす海斗。
「なっ、何固まってんだよ!ほらぁ、色々と不便だろ!?お前夜中に徘徊するし!」
「は、徘徊!?失礼な!私は年寄りかっ!」
「そうとも言う。」
「……ぷっ!あはは!!」
何だか急に笑いがこみ上げ、私は腹を抱えて笑い出した。
「何笑ってんだよ。」
「こんな徘徊おばちゃんをこれからもよろぴく☆」
「きも。」
いつもムカついてしょうがない海斗の皮肉も、今日は嬉しかった。
やっぱり、海斗とぎくしゃくなんて似合わない。
恋愛とかも、似合わない。
こうやってケンカするのが、私たちにはお似合い。
そう、思っていた。