星の砂 **海と空の秘密**


「あ、ついでにメアド教えて。」


海斗はズボンのポケットから、黒い携帯電話を取り出した。

ぽかーんと見ている私に、焦りだす海斗。


「なっ、何固まってんだよ!ほらぁ、色々と不便だろ!?お前夜中に徘徊するし!」


「は、徘徊!?失礼な!私は年寄りかっ!」


「そうとも言う。」


「……ぷっ!あはは!!」



何だか急に笑いがこみ上げ、私は腹を抱えて笑い出した。



「何笑ってんだよ。」


「こんな徘徊おばちゃんをこれからもよろぴく☆」


「きも。」



いつもムカついてしょうがない海斗の皮肉も、今日は嬉しかった。


やっぱり、海斗とぎくしゃくなんて似合わない。

恋愛とかも、似合わない。


こうやってケンカするのが、私たちにはお似合い。



そう、思っていた。




< 39 / 143 >

この作品をシェア

pagetop