星の砂 **海と空の秘密**
その時、電話が鳴った。
おじいちゃんは、ずっと電話を変えようとしないので、黒電話のままだ。
「へい、もしもし。おーおー!元気か!?」
どうやら、友達みたいだ。
おじいちゃんは、電話の声が大きい。
「そりゃあ、えれぇなぁ。でも、俺行けねぇしなぁ……。あっ!」
突然おじいちゃんは、私の顔を見て大きな声を出した。
何だろう。
「今、孫来てんだ。そう、大学3年生!夏休みいるみたいだから、行かせるわ。じゃあな!」
そう言って、おじいちゃんは電話を勢いよく切った。
そして、何事もなかったかのように、また座って新聞を広げた。