星の砂 **海と空の秘密**
「分かった。ありがと、ここみ。でも、好きではいさせて。……な?」
その空くんの見せた笑顔が、あまりにも切なくて、寂しくて。
私は思わず、空くんを引きとめた。
「空!!私、空のことちゃんと好きだし、大事だから!」
「あは。やっと名前で呼んでくれた。ん、明日もよろしく!」
感情が先に出て、つい“空”なんて呼び捨てにしてしまった。
振ったクセに、気があるように見せてしまったかな。
空は、片手をポケットに突っ込み、背中を見せながら手を振り、戻って行った。
私はその背中に、何度も言った。
「ごめんね、空…」