星の砂 **海と空の秘密**
「おい、準備できてんの?」
海斗が私の背後から顔を出した。
私はその瞬間、ハッと我に返る。
「あっ、うん!バッチリ!」
私は、親指を立てて答えた。
「は?どこがだよ!何このにんじんの大きさ!客は馬かよ?」
海斗が大きさがバラバラなにんじんを見て言った。
「それは特大サービスなの!!」
「勝手にそんなサービス作んな、アホ!」
私と海斗のやりとりを見た雫は、意味深な笑みを浮かべながら、その場を離れた。
「ラブラブだねぇ~!」
「はっ!?ちがっ…!!」
ラブラブだと言われるといつも否定する海斗が、今日は否定しない。
黙ったまま、赤面している。
ちょっと!!
こっちまで照れるっつーの!
「私も空んとこ行ってこよーっと!じゃ、ごゆっくり~♪」
雫はニヤニヤしながら、下へ降りて行ってしまった。