星の砂 **海と空の秘密**


「どうして!?空は雫と付き合ってるんでしょ!?雫を傷つけないで!!」


私は、両目いっぱいに涙を溜めて言った。


海斗は、2人が付き合っていることを知らない。

驚いた顔で私と空を見た。



「どういうことだよ…。なぁ、空!」



海斗は空の胸倉を掴み、叫んだ。

その手には白くなるほど力が込められ、そのせいで海斗の手が小刻みに震えている。



空は目線をそらし、黙ったままだ。



「お前は、何で昔っから間違った方ばっかり行くんだよ…っ」



海斗は、震えた声でそう呟いた。




昔っから…?



記憶がフラッシュバックする。

海斗と空が私に告白した時、海斗が言った言葉。




―――『また、好きな女が一緒になるなんてな。』




2人の過去に、一体何があったの…?



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