星の砂 **海と空の秘密**
「あ!あと、俺は竹田さんとこの手伝いに行くことになっちまったから、ここみの面倒みれねぇんだ。だから、勝連さんとこでお世話になっとくれ。な?」
「ええーっ!?」
私は、驚きのあまり立ち上がった。
「私、知らない人の家に泊まるの!?」
「確か、勝連さんとこは、お前と同じくらいの子がおるよ。悪いけど、頼むよ。いい人だから。勝連さんも、大喜びだったぞ?」
いい人とか、喜ばれるとか、そういう問題じゃないんだけど。
でも、おじいちゃんに頼まれたら断れない。
「うん……。分かったよ。」
「おお!そうか!じゃあ、明日から頼むよ!それなりに給料は貰えると思うぞ。」
「給料!?」
私は、お金に目がなかった。
人間不信・恋不振の私のとりえと言えば、それくらいしかない。
「分かった!任せて!」
ふたつ返事で引き受けてしまった私。
これが、私の人生を大きく変える出会いになるとも知らずに……。