星の砂 **海と空の秘密**


「海斗もつらかったと思うけど、空の方がつらかったと思う。諦めないで、素直になっていれば…って。本当に好きな人に、自分の気持ちをちゃんと伝えないまま終わってしまったから…。終わってしまったっていうか、終わらせざるを得なかった恋…っていうのかな。」


「そっか…。」



私は思った。


空は次にする恋を諦めない。

きっと…。いや、絶対に。



そして、空くんは恋をした。



同じ夏、同じ場所で。


―――私に。



でも、私は海斗を選んだ。

アユミさんと同じように。


そのせいで、空は過去と同じことを繰り返そうとしている。

そんな風に思いたくないけど、きっと空はまた自暴自棄な思いで雫と付き合っている。



私は、どうすればいい?



空には、幸せになって欲しい。

でも、海斗を好きな気持ちは変わらない。



私は、海斗が好き。




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