星の砂 **海と空の秘密**
「空に、何か聞いた?」
海斗の表情は、いつになく真剣だった。
でも、私はひるまない。
海斗を涙目で思い切り睨み、声を張り上げて言った。
「雫にアユミさんのこと聞いたの!って言うか、写真とか見られただけで、何そんなに動揺してんの!? 私がアユミさんに似てるからでしょ!?」
「ここみ!!」
声を荒げて泣きじゃくる私を海斗が抱きしめた。
「やめて!触んないで!!」
私は、その手を思い切り振り払った。
今、その手で触れられたら、全てが崩れる気がしたから。
カーテンが開けっ放しになった窓から、月が私たちを悲しそうに見ていた。
海斗は、ただ黙って私を見つめていた。
これから私が言う言葉を全て受け止める、と言わんばかりに。