星の砂 **海と空の秘密**
★海斗side
~海斗side~
「イヤ!!もう別れる!!海斗なんか大っ嫌い!!」
俺の彼女は、そう言って泣き叫び、俺の手を強く振り払う。
思いもよらぬ激しい抵抗に、俺はその場に立ち尽くした。
何やってんだ、俺。
泣かさないって、決めたのに…。
ここみは俺に背中を向け、長い髪を揺らしながら、部屋から出て行く。
追いかけたいのに、追いかけることが出来ない。
本当は今すぐに追いかけて、後ろから抱きしめたい。
でも、俺の体は動かなかった。
写真と、あれを見られたことに、完全に動揺していた。
必死で拾い集めた、7つの星の砂。
こんなものをまだ大事に持っている俺は、最低だ。
俺は、今にも泣き出しそうな思いで、自分の手の中でくしゃくしゃになった写真を見た。
写っているのは、俺、空、雫、俊兄。
そして……アユミ。
アユミは、写真の中で困った顔をして笑う。
『泣かないで』と。
俺の記憶が、よみがえる――――。