星の砂 **海と空の秘密**
3年前の、蒸し暑い夏の日だった。
蝉の盛大な鳴き声が、茹だるような暑さと共に襲いかかってくる。
その日の海は風がなく、穏かだった。
俺は熱い鉄板の上で、無心で焼きそばを作っていた。
その当時は、いつも空と行動を共にし、上で働いていた。
「おい、海空コンビ!!」
俊兄は、俺らのことをそう呼んでいた。
そう呼ばれるのは、嫌いじゃなかった。
俺と空は、本当に仲のいい兄弟だった。
そして、突如俺たちの目の前に現れた、綺麗な女性。
潮風になびく、黒い髪。
日に焼けることを知らなさそうな、白い肌。
お洒落な帽子をかぶり、まるで海のような綺麗なワンピースを着ていた。
その女性は、ふんわりと微笑み、俺にこう言った。
「今日からバイトなの。よろしくね」
俺と空は、その瞬間から恋に落ちていた。