星の砂 **海と空の秘密**


はじめは、あまりにもアユミによく似ていたため、少し気になった。

でも、中身はアユミと全く違っていた。


正直、生意気な女だと思っていた。

もう恋をする気も、さらさらなかった。


それなのに、俺はどんどんお前に惹かれた。



これを恋と呼ばずに、何と呼ぶ?



海に入ろうとするここみを、つい全力で止めてしまった。

また、いなくなってしまうのではないかと思ってしまった俺は、結局アユミを忘れることができていないのだろうか…。


元彼に振られて、泣きじゃくるお前を、守ってやりたいと思った。

素直に「ありがとう」が言えないお前を、たまらなく可愛いと思った。


お前と出会えたのは、神様からの贈り物。

もしかしたら、アユミが引き合わせてくれたのかもしれない。




俺は、一生分の恋をした。




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