Blue Moon
――――
―――
やがて、急いで大通りに向かうと、未だに人だかりが出来ていた。
人をかき分け、その中心部分に顔を出すと、後頭部にタオルを当てている男性とそこに付き添う女性が座っていた。
女性の安堵している表情から、男性はなんともない様子であることが読み取れる。
「良かったね、お嬢さん」
ネオのその言葉で、やっと安心感がこみ上げてきて、思わず泣きそうになってしまった。
「―――うん」
泣きそうになっていることを悟られないように、静かに頷き、私は二人に近づく。
「……あの」
二人に声をかけると、その瞬間皆の視線が一斉に私に注がれた。