Blue Moon
再びネオのもとへ戻ると、彼は壁に寄りかかりながら小さな欠伸をしていた。
「――気分はどうだい?」
私に気づき、問いかけてくる。
「…悪くはないわね」
含んだ笑みを向けて言葉を返すと、それを見て彼も柔らかく微笑んだ。
その表情に、私はなぜかドキリ、とする。
そんな気持ちに『?』と首をかしげた私に、「じゃあ、行こうか。」と壁から離れて言ったネオに「うん。」と頷いた時。
「―――すみません。…そこのお二方」
どこからかかけられた声に、私たちは今まさに歩き出そうとした足を止めた。
私たちはお互いに顔を合わせて、同時にその声の方向へ顔を向ける。