Blue Moon
そんな私のことを、二人がポカン…と見つめる。
しかし、フ、と噴き出したネオが盛大に笑い出してくれたおかげで、気まずい空気はなんとか回避できた。
少しだけ緊張が緩む。
ネオが笑い出したことで、男性はさらにポカンとして、まるで狐につままれたかのような表情をしたあと、ハッ、と我に返り急いで頭を下げた。
「…そうでしたか…。
これは、とんだご無礼意をお許しください」
「いえ、俺らの方も誤解させてしまったみたいで申し訳ない」
男性の言葉によって、ネオも丁寧に頭を下げて謝る。
「…そうだ。
旅のお方でしたら、今夜はぜひ私の宿に泊まってください。
お詫びですから、代金は頂戴しませんので」
思ってもみなかった言葉に、私とネオは一度顔を見合わせて。
「…よろしいのですか?」
「ええ、かまいません」
「―――――では、お言葉に甘えて」
「ありがとうございます!」
私たちは、深々と同時に頭を下げた。