Blue Moon


そんな私のことを、二人がポカン…と見つめる。


しかし、フ、と噴き出したネオが盛大に笑い出してくれたおかげで、気まずい空気はなんとか回避できた。


少しだけ緊張が緩む。



ネオが笑い出したことで、男性はさらにポカンとして、まるで狐につままれたかのような表情をしたあと、ハッ、と我に返り急いで頭を下げた。





「…そうでしたか…。
これは、とんだご無礼意をお許しください」


「いえ、俺らの方も誤解させてしまったみたいで申し訳ない」



男性の言葉によって、ネオも丁寧に頭を下げて謝る。



「…そうだ。
旅のお方でしたら、今夜はぜひ私の宿に泊まってください。
お詫びですから、代金は頂戴しませんので」



思ってもみなかった言葉に、私とネオは一度顔を見合わせて。



「…よろしいのですか?」


「ええ、かまいません」


「―――――では、お言葉に甘えて」


「ありがとうございます!」



私たちは、深々と同時に頭を下げた。






< 49 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop