Blue Moon
今日は、何を飲もうかしら、といろいろな思考を巡らせていたその時、ガコン、という音が響き渡った。
それも、私が今まさに向かおうとしていたキッチンの方からだ。
…うそ…。
まさか本物の幽霊とか…!?
それを願ったのは私なのだが、いざとなると心がついていかない。
なんて言ったって、幽霊なんて見たことがないのだから。
とりあえず足音を控えめにして、私は静かにキッチンへと向かう。
それから、そっ、と中をのぞいてみるが、そこには誰の姿もなかった。
ただこの静寂な場所に、ぴちょん、と水の落ちる音が響くだけだった。
……?
気のせいだったのかしら…。
と思った瞬間、またしてもガタン、と響き渡る音。
と、大きくビクリ、と波打つ私の心臓。
今度は廊下の方だ。