ユメモノガタリ。
「ねぇ?」
そう言ってみれば、目の前の背中が少しだけ揺れた気がした。何度聞いても、応えが返ってくることはなくて。堪らず、繋いだ手を引き寄せたその先には、やっぱり彼で。
知っていた筈なのに、どこか疑っている私がいたことに、彼は気付いていただろうか。
「....どうして」
私の声が、音のないここで嫌に鮮明に響く。けれど、彼は何も言わず、ただただ繋がれた手ばかりをじっと見ていた。
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