部活内恋愛‐部恋。‐


―――――――…


そう言って、
本当にひとりで
喋りだした勇介。


ひとりで喋ってる勇介なんて
全然想像できないけど、
その時だけは一生懸命に
沈黙が出来ないように、
あたしの泣き声が
聞こえないように、

ずっとずっと
喋り続けてくれた。



途中、話が面白くて
泣きながら笑うあたしに
『泣き止んだ?』と
聞いてくれる勇介が
すごく愛おしかった。


涙はなかなか
止まらなかったけど、
途中からは
我慢してた涙ではなくて、
勇介の優しさが嬉しくて
流れた涙だったんだよ。



ありがとうの涙に
自分が気付いたとき、

一生懸命に話す勇介が
すごく愛おしく感じたとき、

やっと自分に正直になれた。



< 168 / 313 >

この作品をシェア

pagetop