部活内恋愛‐部恋。‐
――…
キックオフ。
ついに試合が始まった。
うまく言葉が見つからない。
どんな声援を送ったらいいのかな。
すでに胸がいっぱいだ…。
選手たちが
いつもと違う表情で
フィールドを走っていた。
練習とは違う、
改めてそう感じたんだ。
そして前半戦終了目前、
歓声の声が増す。
如月高校が責め始めた。
ディフェンスを切り分けて
今日一番の歓声が
如月高校の客席を湧かした。
如月高校自慢の速攻技…。
敵だと分かっていても
目を奪われた。
相手の動きが
分かっているかのように
するりとディフェンスを避け、
ゴールへ近づいていく。
今までの時間は
相手の様子見かのようだ。
我にかえり声援を送ろうと
口を開いた瞬間、
強い風に髪が揺れた。
如月高校 先制点――…。
ゴールを決めた選手が
フィールドを駆け回る。
楓高校の客席は
言葉を失った。
試合の中盤…。
とても大きな1点だ。