幼馴染みはストーカー
「麗華~!」
大声で私を呼ぶのは歌藤アレン。
こちらもフランス人と日本人のハーフ。
私の無二の親友だ。
突然変異らしく何故か右目が赤、左目が金というオッドアイを生まれつき持っている彼女は普段は黒のカラコンで隠してる。
「もうすぐバレンタインだねー!麗華は誰にチョコあげるの?」
明るく元気活発なアレンは老若男女問わず誰にも好かれるという特技を持ち、学校一の大人気者。
毎年バレンタインになると男女関係無くたくさんのチョコを貰っている。
その数、クラスで一番モテモテの男の子の数十倍は軽く越える。
しかも彼女自身は今まで男子にチョコをあげたことが無い。
告白してきた子達を悉くフリ続けているらしい。
……罪な女だ。
「私は誰にもあげないわ。めんどくさいもの」
最近は逆チョコなんてのも流行ってるらしく、毎年私にも大量のチョコが届く。
段ボール箱が積み重ねられ、それでも足りなく溢れかえってる様は軽く目眩を引き起こす程。
もういっそのこと、貰ったチョコレートでお店開いちゃおうかしら。
そんなことを考えている私の耳にカメラのシャッター音が聞こえた。