幼馴染みはストーカー


「お帰りなさい、麗華ちゃん。今お夕飯の支度をするわね」

優しい微笑みを浮かべて朗らかに話す美人さんは神宮寺守の母親、神宮寺そよ子。

元FBI(Federal Bureau of Investigation:連邦捜査局)の特別捜査官で現在は専業主婦。

「今日の晩飯はハンバーグだそうだぞ。楽しみだなぁ」

豪快に笑うイケメンさんは神宮寺守の父親、神宮寺和武(かずたけ)。

現FBIの長官。

主な担当は世間に公には出来ない極秘裏の捜査やスパイ・テロ、拉致・誘拐・監禁、銀行強盗など。

神宮寺和武さんはそのFBIの全てを纏めるトップ。

何気に凄い一家なのだ…。

でも普段は温厚で優しいパパさんだ。

「叔父さん、日本に帰ってきてたんですか」

いつも忙しいから滅多に日本に帰ってくることはないのに。

「なぁに。ちょっと休暇が取れたんでね。可愛い娘と息子の顔を見たくなっただけさ。あと一週間は日本に滞在する予定だからいろんな所に連れて行ってあげるよ。何が欲しい?なんでも言ってごらん。買ってあげるから」

職場では長官に逆らうと命は無いとまで言われ畏れられてるらしいが、私に云わせればただの親バカで過保護な子煩悩だ。

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