だから君に
俺は顔をあげたことに後悔した。
頭の中で想像してたままの表情の君がそこにいたから。
悲しくて、今にも泣きそうな。
そんな表情をした君がそこにいたから。
君は俺の手を掴んで、歩きだした。
俺は君が手を引くままに、歩いて行った。
歩いていく先にあるのは、いつも俺と君が並んで座っていた場所。
昨日も並んで座ってた。
だから俺はずっとこのままだって思ってた。
次の日も、その次の日も。
毎日こうやっているんだって思ってた。