だから君に
この怒った顔を見たのはちょうど二年ほど前だった。
何で俺がここに来たのかは覚えていない。
だけど気づいた時にはここに来ていた。
目を開けると、前に大きな青い空があった。
俺の体は波にぷかぷか揺れて、海の上に浮いていた。
日差しが強くとても暑かった。
ここまで暑い日差しには慣れていない俺だったから、この時のことはよく覚えている。
暑い日差しとは反対に、体に触れている海水は冷たくて気持ちが良かった。
海の水は透き通った綺麗な透明だった。
透明な水の下に海の底が見える。