諸々の法は影と像の如し
「でも結局は最終的におじいさまに負けて、追放になったって言ってたじゃない」
「追放ってだけで、生きてるんだ。九条家だって健在。追放になったのは術師だけだ。また担ぎ出すのも可能だろ」
なるほど、と章親は腕を組んだ。
「そんな大物が絡んでいるのか……」
呟き、だが、あれ? と顔を上げる。
「っつっても、おじいさまの時代だよね?」
言ってしまえば三代前の話だ。
その術師とやらも、生きているかも怪しいのでは。
そう思った途端、守道が、あはは、と笑い声を上げた。
「だから、今回のことだって、ほんとかどうか怪しいぜ。いや、九条家が絡んでたとしても、単に物の怪の仕業と見せての犯罪じゃないか? 人食い鬼なんて、召喚出来るとも思えないし、出来たとしても、多分召喚者が一番に食われるぜ。そんな恐ろしいこと、しようと思わないだろ?」
うん、と章親は即座に頷いた。
守道は物の怪の仕業とは思っていない。
だから大して危機感がないのだ。
確かに人為的な犯罪であれば、今回のお成りなど襲おうものなら、あっという間に捕えられる。
「じゃあ今回の宮様の参拝とは関係ないってことか」
「そうとも言えないかも」
笑いを引っ込め、守道は章親を見た。
「追放ってだけで、生きてるんだ。九条家だって健在。追放になったのは術師だけだ。また担ぎ出すのも可能だろ」
なるほど、と章親は腕を組んだ。
「そんな大物が絡んでいるのか……」
呟き、だが、あれ? と顔を上げる。
「っつっても、おじいさまの時代だよね?」
言ってしまえば三代前の話だ。
その術師とやらも、生きているかも怪しいのでは。
そう思った途端、守道が、あはは、と笑い声を上げた。
「だから、今回のことだって、ほんとかどうか怪しいぜ。いや、九条家が絡んでたとしても、単に物の怪の仕業と見せての犯罪じゃないか? 人食い鬼なんて、召喚出来るとも思えないし、出来たとしても、多分召喚者が一番に食われるぜ。そんな恐ろしいこと、しようと思わないだろ?」
うん、と章親は即座に頷いた。
守道は物の怪の仕業とは思っていない。
だから大して危機感がないのだ。
確かに人為的な犯罪であれば、今回のお成りなど襲おうものなら、あっという間に捕えられる。
「じゃあ今回の宮様の参拝とは関係ないってことか」
「そうとも言えないかも」
笑いを引っ込め、守道は章親を見た。