諸々の法は影と像の如し
「ただちょっと気付いただけだよ。姫君が犯人だとは思ってない。けど、繋がりはあるかも、とは思ってる」

 表情を引き締めて、守道が言った。

「手引き役とか、そういうのかもしれない。だから当日、俺は紺を内裏にやろうと思ってるんだ」

 自分の御魂であれば、何かあれば御魂を通して感づくことが出来るのだ。
 ただ守道が紺を呼べば紺は一瞬で現れることが出来るが、紺が呼んでも守道は紺の元へ飛ぶことは出来ない。

「何じゃ、それなら我に任せよ」

「「うわぁっ!!!」」

 いきなり話に入って来た魔﨡に、守道も章親も度肝を抜かれた。

「ま、魔﨡っ! いつからいたのっ」

「さっき。午睡から覚めたばっかりじゃ」

 ふわぁ、と大欠伸をして、どすんと章親の横(若干前)に座る。
 こういう態度一つとっても、紺とは違う。

 守道と紺の間には、上下関係がはっきりとあるようだ。
 紺はいつでも、守道の少し後ろに控える。
 決して出しゃばらない。

 だが魔﨡は章親に遠慮なしだ。
 何なら自分が前に出る。
 大人しい章親からすると頼もしいとも言えるかもしれないが。
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